…この先は我が国の最大の秘密が隠されている。
それを心して入っていただきたいというのが私の切実な願いだ。
…まぁ、まずは落ち着いてコーヒーでも飲んでいかないかね?
いい豆が手に入ったのさ。
ミルクは?砂糖は必要かね?
…なんだねその顔は。
わかってるさ、早く軍備を見せろと言いたいんだろう?
よくここまでわざわざ来てくれたよ。
まあ非常に簡単な仕掛けだったわけだが…
はぁ…たまには一緒に私も飲みたくなる時だってあるのさ。
どうだね?一緒に飲んでいかないかね?
味は保証するよ。入隊する前は親父と一緒にカフェをやっていたからね。
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んっ…ああ、どうだね美味しかったかね?
ふふ、それなら良かった。こんな私の唯一のとりえだからね。
さて、軍備か…
いま資料を取ってくるよ。そこで待っていてくれ。
ん?ああ、お代わりかい?
では淹れてから行くとしよう。
ははは、ここまで気に入ってくれるとは思わなかったなぁ。
君がどこの国の者かは分からないが、まあ君の国と戦争にならないことを強く願っているよ
…いや、わざわざ軍備を見にくるんだ
………………………………………………………
…あまり悪い事は考えちゃいけないな、うむ。
親父もそう言っていたよ。
では取ってこよう。
少しの間待っていてくれ。
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ああ、待たせたね。
この年になっても整理が出来ないんだ。
全く恥ずかしいものだよ、はは…
(そういうと彼は資料
(資料を見る)を机にスッと置いた)
まあ何だ、このまま帰るのも味気ない。
少しだけ世間話をしよう。
さて、最近あった出来事…
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なに?転属になってないじゃないかだって?
はっはっは、何を言うんだ!
ほら、場所が変わっただろ?
前までの自然が豊かな所もいいが
こういう大都会と言うのもいいものだね
なに?言うほど都会じゃないだって?
...こういうのは、気分だよ気分。
これまでの場所よりは間違いなく都会だからね!
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ん、もう行ってしまうのかい。
悲しくなるね。
私もこの部屋にずっと一人だから、君のような人が来てくれるのは非常にうれしいんだ。
軍としてはあまり嬉しくないのだろうが…
ん?辞めないのか、だって?
ははは、まさか。
辞めるわけないさ。これが僕の仕事だ。
…ああ、ひとつ言っておくが
この部屋で話したのは所詮ただの一兵士の思いだ。
お偉いさんに話す必要はないよ。
ただただ出された指示に従い
儚く散っていくだけの人間さ。
…ちょっと長話が過ぎたかな。
申し訳なかったね、こんなくだらない話につき合わせてしまって。
ん、ああ。
それはそこに置いておいてくれ。あとで自分がしまうから。
大丈夫かって?
ああ、自分でしまった方が場所が分かりやすいだろう?
…まああれだけ机を汚くしたのも自分なのだが…
ああ、それでは。
互いの人生に祝福あらんことを。
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